減少傾向のお墓はそもそも庶民が求め檀家制度によって確立された (2/3ページ)

心に残る家族葬




■檀家制度によって庶民はお墓に葬られるようになった

こうした流れを経て庶民が確実に墓に葬られることを決定づけたのが江戸時代の檀家制度である。檀家制度は庶民と墓を結びつけた。その背景には確かに政府による庶民統制や、仏教界との癒着という面もあったことは間違いない。キリシタン排除の手段でもあった。一方で見方を変えれば「どんな人でも墓に葬ってくれる制度」でもある。かつてゴミとして処分された庶民も人として儀礼を施され、第二の住居たる墓に移り住むことができるようになったのである。これを文明の進化と言っても誤りではないはずである。

■文明や進化は悪か

「文明」や「進化」という言葉も昨今ではあまり良い意味では使われないことが多い。文明という言葉には自然と相反する概念を含み、科学的発展による人間のエゴが指摘されることもある。そこから環境破壊、自然保護が叫ばれ「自然への回帰」が錦の御旗となる。自然葬や散骨も自然回帰の思想が根底にあると思われ、人工的な墓は否定される。魂の自然回帰を詠んだ「千の風」の冒頭は「私は墓にはいません」であった。

原始時代を生きる人々「はじめ人間」の生活を描いたアニメ「はじめ人間ギャートルズ」(原作・園山俊二)の最終回は痛烈な文明批判を描いたものだった。「ブンメイ」なる人物が現れ、はじめ人間たちに農耕の技術を教える。彼ははじめ人間たちを服従させ土地を支配した。はじめ人間たちは不満を持ちつつも、「シューカク」というものが来れば腹いっぱい食べられることを信じて農耕に励む。しかし出来たものは肉でも果物でもなく、頭を垂れた稲穂だった。「こんなもののために」と憤慨する彼らをマンモスの大群が襲撃。彼らは石斧を手に取りマンモスを撃退した。残されたのは気を失った(死んだ?)「ブンメイ」と、踏み荒らされた田畑、そして仕留めたマンモス。はじめ人間たちは「これが俺たちのシューカクだ!」と意気揚々としたラストを迎える。

ここでは狩猟から農耕への進化は否定され、より自然に近い狩猟生活が賛美されている。この話では「ブンメイ」は横暴で傲慢。自由に生きてきたはじめ人間たちは囲いに封じ込まれ、地平線の見えない空間の中で苦役を強いられた。農耕文明は完全な悪であり散々な扱いであった。
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