無事に生きていることが幸せ…子供の成長を祝う「七五三」の由来は? (1/3ページ)
短命がゆえのイベント「七五三」
子供の成長を祝って、その後の幸福を祈願するイベント「七五三」。今でこそ当たり前のように行われていますが、かつて子供の死亡率が高かった時代には切実な意味を持っていました。
弥生時代から室町時代までの日本人の平均寿命は三十歳ほどだったそうです。その後も織田信長が「人間五十年」と歌ったりしてますね。このように、かつての日本人は短命だったとされていますが、これは子供たちが幼いうちに亡くなるので平均値全体が下がっていたとも考えられます。
こうしたことを踏まえて想像してみると、平安時代から続いているとされる「七五三」は、かつては子を持つ親にとっては単なるイベントではなく、子供の無病息災を本気で神様に祈願する儀式だったのではないでしょうか。
今回は、この七五三というイベントの由来について説明します。
それぞれの儀式の由来七五三は、かつては男児が三歳と五歳の時に、また女児が三歳と七歳の時に行うのが一般的でした。
それぞれの年齢を迎えた子供たちは、晴れ着で神社へ参拝して千歳飴を食べます。この「千歳飴」はおめでたい紅白模様で、なが~い飴を食べることで子供は「長く・粘り強く」成長するのだそうです。
三歳の時に行われる「髪置き」は武家の儀式に由来するものです。頭に、糸で作った「綿白髪」を載せて長寿を祈願します。