【調査分析】女性管理職比率の向上が従業員のウェルビーイングにポジティブな影響 (5/7ページ)

バリュープレス



女性管理職についての先行研究(*4)では、女性管理職は、メンバーとより個別に関わり、部下の個性に配慮したアドバイスや成長のためのフィードバックを与えることで、メンバーの内発的動機づけを高めるような関わりをする傾向があることが示されています。このことから、女性管理職比率が高くなることに伴って、従業員は個別に配慮された業務のサポートや、成長やキャリア形成につながるアドバイス、賞賛が得られやすくなるものと思われます。その結果、従業員の知覚する職場環境は良好なものとなり、従業員のウェルビーイングは良化していくのではないかという仮説が成り立ちます。

女性が前向きに自身のキャリアを選択できるために

今回の分析の結果から、女性管理職比率が高まることに伴って、メンバーが内発的動機付けを持ちやすい職場環境が作られやすくなり、結果として従業員のウェルビーイングが向上する可能性が示唆されました。その一方で、前述の通り女性管理職比率は目標値との乖離が未だ大きく、女性の管理職登用が思うように進んでいないのが現状です。

ある調査(*5)によると、キャリア初期のはたらく女性の中で、管理職を目指したくないと答える方の約70%が、その理由に仕事と家庭の両立の難しさをあげています。多くの企業が、育児休暇や時短勤務など、仕事と家庭の両立を支援する制度を導入し始めていますが、この調査結果からは、そういった制度を充実させるだけでは女性の管理職登用が進みにくいことが見て取れます。

女性に限らず企業内でのキャリアを志向する全ての従業員が仕事と家庭を両立していく上では、企業側の制度が充実するだけではなく、従業員側の家庭環境にも目を向ける必要があります。はたらく人だれもが、それぞれのキャリアプランを持っています。家庭でお互いのキャリアや働き方についてコミュニケーションし、家庭内外に必要なサポート資源を求めながら、双方が納得できる仕事と家事・育児のバランスを見つけられることが大切です。一方で、従業員の家庭環境については、企業としては直接的には介入しにくい面があります。
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