輪廻転生は東洋と西洋でそれぞれどのように捉えられているか (3/3ページ)

心に残る家族葬

霊的進化論における魂の成長も様々な試練を超えた上のものである。試練とは苦しいものだ。つまり苦の円環からの解脱と決定的に異なるものではない。佐野洋子の絵本「100万回生きたねこ」( 講談社、1977)は、長い転生の末にやっと死ぬことができて終わる。この結末は現世では死かもしれないが、円環する転生からの解脱に成功したとも、進化する転生のゴールに到達したともとれる。結局真理は同じということではないだろうか(注)。

西洋自然科学の唯物論が我々から奪った死後生のストーリーを、西洋神秘思想の影響によってポジティブ化された輪廻転生観が提供しているのは興味深い現象である。

注:なお、霊的進化論についてはその危険性も指摘されている。大田俊寛氏「現代オカルトの根源」ちくま新書(2013)など。

「輪廻転生は東洋と西洋でそれぞれどのように捉えられているか」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る