あなたの「金田一耕助の時代」はいつ?~復古神道と『ひぐらしのなく頃に』~ (3/4ページ)

Japaaan

また日本にも、古代の「上つ世」を理想的な時代と考え、これを無為自然の黄金時代とする思想が出現したことがあります。江戸期に国学者が唱えた神道の一流派「復古神道」です。

「復古神道」を大成させた平田篤胤(ひらた・あつたね)(wikipedhiaより)

これは、儒教や仏教などが渡来するよりも前の古代日本に復帰しよう! と強調する学派で、荷田春満(かだ・あずままろ)、賀茂真淵(かも・まぶち)、そして完成者と言える本居宣長(もとおり・のりなが)までの系譜を持っています。

宣長が批判したのは、日本書紀の記述に対する解釈があまりにも儒教の影響を受けすぎていることに対してでした。それは「漢心(からごころ)」による解釈だとして、大陸文化が入ってくる前の日本文化の心に帰ろう、と主張したのです。

彼が尊重したのは『源氏物語』『万葉集』『古事記』です。どれも古典中の古典ばかりですね。こうした作品群の価値が強調されたのです。

理想主義、美化、そして金田一耕助

復古神道の考え方がどこまで的を射たものかはさておきます。さすがに、大陸文化が流入してきた後の日本、つまり「中つ世」は堕落した時代なのだから、天皇を中心的存在として人の道を探っていこう……という主張は今の時代にはちょっとそぐわないでしょう。

実際、復古神道の考え方は、学問と信仰が混然一体となっているようなところがあります。黄金時代とされる上つ世のイメージはあまりにも理想化されすぎていて、どう考えても当時のありのままの姿ではありません。

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