尊すぎる言霊の力…『万葉集』が伝える舒明天皇(じょめいてんのう)の御製に込められた願い (1/4ページ)
日本では、人間の発する言葉に霊力があり、言葉を発せられた相手の人生に大きく影響するという「言霊(ことだま)」信仰が古くからありました。
例えば現代でも、受験生に対して「(試験に)落ちる」「滑る」などと言わない、結婚式で「(縁が)切れる」「(実家に)戻る」など縁起の悪いことを言わないなど「忌み言葉」のマナーとして残っています。
より身近なところでは、心のこもったエールに元気づけられたり、逆に心無い一言に落ち込んでしまったりなど、言葉の持つ力は、私たちが意識するとしないとに関わらず、とても大きなものと言えるでしょう。
そんな言霊の知恵がかつては政治の現場で活かされていたそうで、今回は『万葉集(まんようしゅう)』より、第34代・舒明天皇(じょめいてんのう)のエピソードを紹介したいと思います。
何と美しい国であろうか……。今は昔、皇位に就かれた舒明天皇が国見(くにみ。国内の視察)をする際、絶景ポイントである天香久山(あまのかぐやま。現:奈良県橿原市)に登って、その頂上から広がる景色を見渡されました。