コーチングが根付く組織と根付かない組織 その違いを生む企業風土とは (2/6ページ)
――市丸さんが合力さんにお声がけをしたのはなぜだったのですか?
市丸:弊社はコーチングを使って組織風土改革を進めていく会社なのですが、その課題の一つが人材という資源をどう最大化するのかということなんです。
合力教授は経営戦略の第一人者であり、コロンビア大学にも行かれて、ポジティブ心理学などにも通じており、人をどうやって活かせばいいのかということを理論面からのアカデミックな裏付けを示していただく事で本書がより読書にも学びが深くなると確信していました。
――コーチングの話に入る前に、本書では「コーチング」と「ティーチング」を区別しています。これはとても大事なことだと思うのですが、「コーチング」と「ティーチング」の違いについて教えてください。
市丸:ティーチングとは「教える」ということですね。もっと分かりやすく言うと、指示・命令です。かつての日本は勤勉なリーダーがいて、このティーチングが機能していたから、劇的な成長を遂げられました。ただ、今、日本は世界から30年遅れていると言われています。それはなぜかというと、ティーチングに特化したタイプのリーダーが多いからだと思います。
日本の企業がグローバル基準になるためには、コーチングタイプのリーダーが必要です。コーチングとはメンバーに対して自発的な行動を促すコミュニケーションのことで、興味を持って問いを投げかけます。そこで、メンバーは自分で考え、答えを導き出し、行動をするというものです。
――コーチングの方が、イノベーションが生まれる土壌が育まれそうです。
市丸:そうですね。ティーチングによって指示・命令が強くなると、メンバーが萎縮してしまって自分から動けなくなってしまい、指示待ち人間になってしまうことが多くあります。そうなると、新しいアイデアが生まれたり、イノベーションも起こりにくくなります。
ただ、一方でコーチングだけでイノベーションが起こるかというと、そうではないんです。