コーチングが根付く組織と根付かない組織 その違いを生む企業風土とは (3/6ページ)
コーチングだけでやっていこうとすると、組織の中が何でもありの状態になってしまうんですね。
――コーチングだけでも組織は上手くまわらない。
市丸:そうです。仕事の仕方であったり、基礎知識であったり、スキルであったりといった基本的なことは、やはりティーチングで教えるべきです。コーチングは答えのない課題や取り組むべき目標に対して考えてもらうときに最も効果的ですが、業務を知ってもらう上では逆効果です。だから、本書の中でも述べているように、「使い分け」をしないといけないと考えます。
――本書では第1章、第2章を合力さんが、第3章と第4章を市丸さんが執筆され、6章ではお二人が対談を行っています。本書を執筆する過程の中で見えてきた、新たなコーチングの可能性について教えてください。
合力:私がこの本で書いたことは、コーチングが組織に根付くかどうかというのは、結局はコーチ側の人間性、禅の思想、徳といったところが大きいのではないかということでした。
これをリーダーシップと関連付けてその可能性について考えてみたときに、一般的にコーチングはサーバント型リーダーや、ファシリテーター型リーダーにおいて機能するものだとされていますが、実はカリスマ型リーダーや遠隔型リーダーといったコーチングには不向きであるといわれるリーダーのタイプも、その特性を磨けばコーチングが機能する可能性があるのではないかと思いました。
――市丸さんはいかがでしょうか。
市丸:本書を執筆するなかで気づいた点が2つありました。
一つは合力教授がコーチングの基盤の一つとしての禅的思考を書かれていますが、経営トップがそういった基盤を持ち、ブレない軸を持っているかどうかというということが大事だということです。これは業績の軸ではなく、人という資源をいかにして最大化していくのかということを考える軸になるのですが、これを持っているかどうかで変わると。