コーチングが根付く組織と根付かない組織 その違いを生む企業風土とは (6/6ページ)

新刊JP

その結果、何が起こるのかというと、社員一人ひとりの主体性が組織の生産性向上につながっていくんです。一人ひとりの能力がアップすれば、それは利益として返ってくるはずです。

利益を目的としてコーチングを導入すると、利益が上がらない場合はすぐに手放すということになってしまう。それは実はすごくもったいないことだと思うんです。

日本は資源がない国ですから、人材への投資を積極的に行うべきです。ところが、「失われた30年」の間、人材への投資どころか、非正規雇用者が増え、しっかり育成をしてこなかった現実があります。それが今の日本の閉塞感や、世界から遅れをとっている現実を生み出しているように思います。

コーチングは人間に根差して講じられるべきものです。より主体性を引き出し、生産性を高めていってもらう。その結果、利益がついてくる。そういう風に考えなければ、コーチングを根付かせることはできないし、企業の持つ力を底上げすることはできません。

――今の合力さんのお話は、まさにコーチングの真の目的とは何かというテーマだったと思います。市丸さんにお伺いしたいのですが、いろいろな企業を見ている中で、コーチングの目的を取り違えてしまっている企業は多いと思いますか?

市丸:そうですね。多いから、今のような状況になっているのだと思います。コーチングを取り入れても、「コーチングをしたんだから業績を上げろよ」というように結局はティーチングされてしまう。そうなると、社員側はやらされた感が残ってしまい、悪循環が生まれてしまうということが起こっていますね。

合力:もう一ついいでしょうか。特に日本の場合は、利益を出す=人件費を抑えるという発想がすごく強いんです。その発想が抜けないと、人に対する投資という考えはなかなか出て来ずに、費用と考え続けてしまいます。ただ、社員に対して適切に投資をすることは、いずれ必ずリターンを生み出します。コーチングを導入するときには、そうした投資という考え方がベースになければ、上手く根付くことができないでしょうね。

(後編に続く)

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