多くの企業が認識できていない人事評価制度の本当のゴールとは? (2/5ページ)
――では、人事評価制度の目的は「経営成果を最大化する」ということでしょうか?
宮川:本書にも書かせていただきましたが、「マネジメント活動を推進し、社員の成長を後押しし、経営成果と業績向上につなげること」です。社員が成長し、その結果として業績が向上していく。そのために、多大な工数、費用をかけて制度を整備し、PDCAを回していくツールとして活用するわけですね。
その視点で考えると、評価制度がうまく運用できているのかどうかを判断する基準としては、制度を活用し始めてから社員の成長が加速し始めたかどうかが一つ。また、目標達成や業績向上がそれまで以上に実現できているかという点がもう一つです。もしそれができていないのであれば、評価制度は上手く運用できていないということになります。
よく、「最初は社員も慣れなかったり、面談もやらない評価者がいたり、評価シートの提出期限が守られなかったりと混乱していたけど、3年経ってようやくみんな慣れてきて、しっかり期限通り提出されるようになってきました」というようなお話もうかがうんですけど、それはゴールでもないし、運用が上手くいっていることにはならないですよね。
――制度としてはうまく回っているけど、目的としては違うというお話ですよね。
宮川:人事担当者も本来の目的を忘れてしまうと、早目に告知しなければ、スケジュール通り評価を実施してもらわなければ、評価一覧表を作って評価調整会議の準備をしなければ…という視野の狭い仕事になってしまうんですよね。
――実際は多くの企業が人事制度を運用することが目的化していて、宮川さんがおっしゃった本来の目的に対してコミットできていない制度になってしまう、いわゆる形骸化が起きています。本書でも人事制度が形骸化してしまう会社の姿が書かれていますが、そういった会社に見られる特徴を教えてください。
宮川:まず、評価制度が査定ツールの機能のみでしか活用されていない。