多くの企業が認識できていない人事評価制度の本当のゴールとは? (3/5ページ)
そして、さらにその査定に対してこだわりが強いという特徴があります。
一つ目の「査定ツールの機能のみの活用」は、目標達成と部下育成のためのマネジメントツールとして機能していないということです。こうなると、評価制度は単なる「期末の儀式」として行う面倒で気の乗らない面談になってしまいがちです。
二つ目に申し上げた「査定に対してこだわりが強い」は、先ほどお話しした通り、評価者間や部門間の評価のバラつきが許容できず、評価者研修や評価者の調整会議を行うなどに必要以上に無駄な工数をかけてしまうことがあげられます。
それに、本の中でも書かせていただいたように、評価シートで出てくる評価点数はそもそも正しくないんです。人によって求められる役割も違いますし、設定する目標そのものの難易度も違います。活用できるリソースも異なりますから、いかに調整しようとしても正しい点数が出てくるはずがありません。それにもかかわらず、ちゃんと運用して評価者の目線を合わせれば正しい点数がつくという前提に立ってしまうと、評価の調整作業が無駄に増えてしまい、そこに多くの時間を取られてしまいます。
――運用のためのコストばかりが積み重なるわけですね。
宮川:そうです。本来であれば逆で、正しい点数は出てこないという前提に立ち、査定そのものは可能な限り手間暇かけずに終わらせるべきです。そして、空いた時間を目標達成や部下育成のための具体的な活動に使うべきでしょう。
――人事評価制度が形骸化してしまった状態から抜け出すためには何をまず見直すべきなのでしょうか。
宮川:まずは目的ですね。そもそも目的がズレていると、いくら小手先を直しても意味がありませんから。
目的そのものを見直して改革を進めるためには、人事部門だけではなく全社的な取り組みが必要です。
結局評価を行うのも評価制度というマネジメントツールを活用するのも、人事部門ではなく各部門の現場ですから、目的が浸透するためには経営陣や部門責任者レベルが全員納得してもらわない限り難しいでしょうね。