多くの企業が認識できていない人事評価制度の本当のゴールとは? (5/5ページ)
宮川:私がコンサルティングで関わらせていただいている会社の例でいいますと、やはり人事部の考え方や関わり方が変わりましたね。
それまではスケジュールの告知や提出管理のような事務的な関わり方ばかりで、評価制度の運用を現場に任せきりだったのですが、現場のマネジメントのサポートを行う意識がすごく強くなったという変化がありました。
その結果、マネージャー向けの研修も、流行りのテーマの研修ではなく、マネジメント力を伸ばすための内容に変わりましたし、日々の現場の業務運営にも積極的に関わるようになりました。社員の成長や目標達成の実現に向けてPDCAがうまく回っているか、回っていないならどのように解決すべきか、という視点でサポートをするように変わりました。
――つまり、本当の目的の達成のために本質的な動きをするように変わったということですね。
宮川:そうです。例えば現場に「どんなふうに部下とPDCAを回しているんですか?」とヒアリングをして実態をつかんだり、部門のミーティングに参加したりして、ちゃんとPDCAに即して行われているのかを確認したりといった、能動的な動きをするようになりました。
その結果、人事部の担当者のやりがいも上がりました。
現場から煙たがられる存在ではなく、サポートをすることで感謝される存在になりましたし、自分自身がより誇りを持って仕事に取り組めるようになったという感想をいただいた事例があります。
その意味では、評価制度を活性化させるためには、個々のマネージャーの意識変革も重要ですが、人事部のメッセージや現場へのサポート内容、そして先ほども少し言いましたが経営陣がしっかり納得してメッセージを発信することが重要です。
「いついつまでに評価をして面談して評価シートを提出してください」という人事部門の告知しかなければ、受け取る側もそのように動くだけです。何のための評価制度なのか、評価だけではなくマネジメントツールとして日々どのように活用するのか、具体的にどのように動いてもらいたいのかを折に触れて伝えてもらいたいですね。
(後編に続く)