海から5500種を超える未知のウイルスを発見 (3/5ページ)
残念なことに、そうした配列が進化したのは大昔のこと(最初の細胞の登場よりも前かもしれない)なので、共通祖先から新しいウイルスが分岐したことを示す遺伝的サインは、とっくに失われてしまっている。
だが機械学習するAIのおかげで、そうした配列を体系的に整理して、人間が手作業でやるよりもずっと客観的に違いを探せるようになった。
こうした分析によって、5504種の新しい海洋RNAウイルスが特定された。しかも、これまでRNAウイルスの「門」(分類学上のグループの1つ)は5つだったが、10門に倍増した。
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独自の手法で編成した、これまで知られていたRNAウイルスの5つの既知の門 / image credit:Zayed et al., Science Volume 376:156(2022).
発見されたRNA配列を地域別に分けてみると、新たに見つかった2門は、広い海に多く存在し、温帯海域か熱帯海域のいずれかを好むことが明らかになった。
なお前者の門はTara Oceansに因み「タラビリコタ(Taraviricota)」、後者は北極海に因み「アルクティビリコタ(Arctiviricota)」という。
研究グループによれば、タラビリコタは複製方法が分岐したとある2系統のRNAウイルスを結びつけてくれるかもしれないという。
長い間探し求められてきた進化のミッシングリンクかもしれないのだ。
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海洋RNAウイルスの分布図。円のくさびの大きさは、その地域にいるウイルスの豊富さを、色は「門」を示す。