【鎌倉殿の13人】前原滉が演じる一条忠頼、忠実ではどう殺された?『吾妻鏡』を読んでみると…… (5/5ページ)
終わりに
大河ドラマの描いた一条忠頼の最期:
工藤祐経は及び腰、仁田忠常が斬る
『吾妻鏡』に記録された一条忠頼の最期:
工藤祐経は及び腰、小山田有重の機転で隙を作り、天野遠景が斬る
側にいた三人の郎党たちも討ち取られる
厨房で使われていた魚板。遠景は咄嗟にその場にあった物で闘った(太刀は折れた?)と見られる(イメージ)
以上、甲斐源氏の有力者である一条忠頼の最期を紹介しました。ドラマ制作の都合上、あまりキャストを増やせないのは仕方がないので、こういう違いを知っておくだけでもドラマ観賞がより楽しめるでしょう。
しかし、ドラマも『吾妻鏡』も祐経はちょっと残念な感じですね。たまには工藤一臈(いちろう。第一人者)と呼ばれた歌舞音曲の才能を披露するなど、いいところも拝みたく思います。
また、こうしたマイナー御家人たちにも興味深い武勇伝がたくさんあるので、どんどん紹介したいです。
※参考文献:
五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡 2平氏滅亡』吉川弘文館、2008年3月トップ画像: NHK公式ページより
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