この予習は必須!【鎌倉殿の13人】北条泰時の生涯と実績をたどる。御成敗式目だけじゃないぞ:後編 (2/5ページ)

Japaaan

武士や庶民たちにも解りやすい、公平な法律を(イメージ)

「これまで訴訟と言えば、同じ案件であっても強い者が勝訴し、弱い者が敗訴するものとされてきた。しかしそういう不公平をなくし、身分の貴賤にかかわらず公正な訴訟が行われなければ、力を驕って法を踏みにじる者が絶えないだろう。
そこで此度この式目を定めた。都人らが見れば『モノも知らぬ東夷(あづまゑびす。東国の野蛮人)どもが法律ごっこか』など笑うやも知れず、また『すでに優れた律令があるのに、その劣化コピーなど作って得意顔とは笑止千万』などと眉を顰めるかも知れない。
しかし地方で都の律令を知る者、理解する者は少ない。そんな状態で律令を基準に武士たちを処罰するのは、獣を罠にかけるようなもので、安心して暮らせないではないか。
だから此度の式目は、漢字も知らぬような田舎武士でもちゃんと読めて理解できるように書いた。
君臣の絆を大切にし、親子の絆を大切にし、正直で純粋な人の心を大切にし……土民らも安心して暮らせるよう『人間の道理』に基づいて作ったものなのだ」

……これは泰時の弟(義時の三男)で、六波羅探題として京都に赴任していた北条重時(しげとき)に向けた手紙を意訳したもの。

法律に携わる者であれば誰もが理想とするごくシンプルな道理、その恩恵を身分に貴賤にかかわらず誰もが享受できることを願って定められた御成敗式目。

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