執権の立場は重々承知…それでも弟の危機に駆けつけた「北条泰時」の兄弟愛【鎌倉殿の13人】 (5/5ページ)
※『吾妻鏡』寛喜3年(1231年)9月27日条
兄の心に感動して、起請文を奉げた朝時(イメージ)歌川貞秀『英雄百首』より
ちなみに義村は人々にこのエピソードを紹介。「盛綱と泰時のどちらが理に適っているか」と問いかけると、議論が沸騰して決着がつかなかったとか。
「軽々に飛び出すな」と諫言する盛綱と、「兄弟の危難は重大事である」と反論する泰時。皆さんなら、どっちの意見を支持しますか?
筆者ならば盛綱を支持しますが、思わず飛び出してしまった泰時の弟へ対する愛情は、とても尊く眩いばかり。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では坂口健太郎が演じる北条泰時。今回のエピソードは主人公・北条義時(演:小栗旬)の死後なので出てきませんが、朝時はじめ兄弟たちとの絆に期待したいですね!
※参考文献:
上横手雅敬『北条泰時』吉川弘文館、1988年10月 五味文彦ら編『現代語訳 吾妻鏡10 御成敗式目』吉川弘文館、2011年5月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan