寄生虫、トキソプラズマに感染した人間は性的に魅力的に見える可能性 (3/6ページ)
(a)の方が (b)より魅力的に見えると回答する人が多かった
とても奇妙なことだが、仮にそうだとすると、この現象は進化生物学の立場からは理にかなっていると、科学者たちは言う。
なぜなら、それはトキソプラズマにとっても都合がいいからだ。例えば、宿主が異性にモテてたくさんの相手が近寄ってくれば、トキソプラズマが別の相手に寄生するチャンスは増すだろう。
「ある研究では、トキソプラズマに寄生されたオスのラットが、寄生されていないメスにモテるようになることが確認された」と、トゥルク大学(フィンランド)の生物学者ハビエル・ボラズ=レオン氏は論文で説明する。
これと同じことが人間でも起きるかどうかいくつもの研究が行われてきた。・寄生された男性はテストステロンが増加する可能性
今のところ確証はないが、寄生された男性は、代表的な男性ホルモンである「テストステロン」が増えるらしきことが示唆されている。
テストステロンが寄生虫の影響で増えたのかどうかはわからない。可能性としては、テストステロンが多い男性は危険な行動をとりがちで、そのために寄生されやすいと考えることもできる。
その一方、寄生虫は宿主の表現系を微妙に改変し、神経伝達物質やホルモンを操ることで、己の目的を遂げやすいよう仕向けているという可能性を否定することもできない。
ボラス=レオン氏らは、そうした操作はずっと広範囲に及んでいる可能性があると指摘する。