寄生虫、トキソプラズマに感染した人間は性的に魅力的に見える可能性 (4/6ページ)
トキソプラズマのような性感染する寄生虫は、感染の副産物あるいは操作を通じて、人間の宿主の外見や行動を変化させ、別の宿主に寄生するチャンスを作り出している可能性があります
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・寄生されている人は顔の対称性が高い
ボラス=レオン氏らはこの仮説を検証するために、トキソプラズマに感染した人(男性22名、女性13名)と感染していない人(男性86名、女性92名)を比較してみた。
するとトキソプラズマに感染した被験者は、顔がより対称的な作りであることが明らかになったのだ。
感染した被験者の「左右対称性のゆらぎ(fluctuating asymmetry)」は、非感染者よりも低い傾向にあった。
左右対称性のゆらぎが低いということは、顔がより対称的な作りであるということだ。これは健康・良好な遺伝子・魅力などとも関連があるとされる特徴だ。
また女性の感染者の場合、ボディマス指数(BMI)が低い傾向にもあった(つまりスリムだった)。そうした女性たちは、自分の魅力を高く評価しており、恋人の人数も多いことがわかっている。
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さらに今回の被験者の顔写真を、別の人たち(205名)に評価してもらったところ、感染者の方が魅力的かつ健康的であると評価された。
このような差が出る理由について、研究グループは、トキソプラズマが宿主の内分泌系(例えばテストステロン)を操作することで、顔の対称性が変化しているのでは? と推測する。