「雨の中、赤ちゃんをタオルに包み病院を去る私。車の方へ走り出す寸前、知らないおじいさんが『貸し!』」(福岡県・30代女性) (2/3ページ)
「鍵、貸し!」
私が「あの白いのです」と、自分の車を伝えるとおじいさんは、「鍵、貸し!」。
そこで鍵をお渡しすると、雨の中を走って私の車まで行き、私が待っていた屋根のある入り口まで車を回してきてくださったのです。
「ありがとうございます!」私がお礼を言うと、今度はおばあさんのほうが
「じいじも孫が生まれたばっかりでほっとけんかったんよ。困った時はお互い様だから」
と笑顔で言ってくださいました。

初めてのお産と初めての授乳で、生まれたばかりにも関わらずすでに寝不足続きで少しバテていた私は、その行動とお言葉にとても救われ、その日はいつもよりもうんっと息子が愛おしく思えました。
「あのときのおじいさんのように...」お二人とはそれ以降はお会いすることもなく、今となってはもう、お顔もおぼろげです。
ですが、5年経った今でもあの時の事を思い出すと、胸がほっこりします。
子供を持つと手が足りないことやどうしようかな、と悩む場面がたくさんやってきます。

大荷物を抱えているのに抱っことせがまれる時や、あの日のような雨の中を子連れ、特に乳児連れで移動する時もそんな場面の一つです。
そんな時に「手伝おうか」と言葉をかけていただけるのは、とても嬉しいものでした。
長男もすっかり成長し、いまや2人の弟のお兄ちゃんになりました。あのときのおじいさんのように自然に誰かを助けられるかっこいい人になって欲しいなと思います。