井上尚弥vsノニト・ドネア、アントニオ猪木vsモハメド・アリ…格闘技「世紀の一戦」の舞台裏 (2/3ページ)

日刊大衆

昭和マット史に残る世紀の一戦といえば、1976年6月26日、日本武道館で行われたアントニオ猪木vsモハメド・アリ戦だろう。

■猪木が抱えていた、とてつもないプレッシャー

 この試合に際し、猪木のスパーリングパートナーを務めたのが、“組長”こと藤原喜明。70年代の付き人時代から「猪木の用心棒」と呼ばれ、異種格闘技戦や危険な海外での試合などで常に猪木に帯同。護衛した藤原は、こう言う。

「たしか、巡業を2シリーズ休んで、猪木さんにずっとついていたんだよ。猪木さんは試合に向け、コンディションを整える練習とスパーリングをずっとやっていた。アリキック(スライディングキック)の練習をしてるところなんて、見たことがなかったよ」

 猪木は、大きなプレッシャーと闘っていたという。

「感情の起伏が激しいというかね。突然、“俺、勝てるよな?”って聞いてきたり、“藤原、俺を殴れ”って言ってきたり、精神的に追いつめられていたようだった。あの試合、ハッキリ言えば死ぬか生きるかだからね。よく“真剣勝負”って簡単に言うけど、猪木さんは負けたら会社も潰れるだろうし、破産だろう。アリだって、負けたらボクサー生命がおしまいでしょ。ホントの真剣勝負だよな」(前同)

 試合は緊迫感漂う中、アリキックを繰り返してはあおむけの体勢を取る猪木に、アリが「立ち上がれ」と挑発する展開が延々と続く。そのまま、2人は3分15ラウンドを闘い抜いた。

「真剣勝負はああいうものなんだ。侍が真剣で斬り合う果し合いだって、向かい合って微動だにせず糞尿だって垂れ流し。

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