雨が降ったときのみ現れる「幽霊の足跡」ユタ州の砂漠で1万年以上前の古代狩猟民族の足跡を発見 (3/6ページ)

カラパイア

/ image credit:R. Nial Bradshaw・雨が降ると現れ、乾くと消えてしまう
 当時の人々は、水が浅くたまったこの湿地を歩いていたのだろう。ビーチでよくあるように、歩くそばから泥のぬかるみの中に足跡が残り、そこにすぐにまわりの砂が流れ込んだことで、足形がかたどられたままの形で残ったのだと、考古学者のダロン・デューク氏は言う。

 その後、湿地帯が乾燥するにつれて、足跡は残った塩で埋められ、完全に乾燥すると周囲の風景と区別がつかなくなったのだという。

 通常、雨が降ると、水はたちまちまわりの堆積物の奥深くまで吸収され、地面はすぐにもとの色に戻る。だが、表層に隠れていた泥の足跡の上に雨が降ると、そこに水が閉じこめられ、そこだけ黒く湿った色になって、容易に周囲と区別がつくようになる。

 前回の調査中に、これら足跡が見つかった場所から1.6キロ足らずのところで、1万2000年前の狩猟採集民族のキャンプ跡が発見された。

 今回の足跡を残したと思われる人たちがそこに住んでいた可能性がある。炉床の跡、料理に使ったと思われる石器、2000個以上の動物の骨の山、さらに炭化したタバコの種なども見つかり、これは人類がタバコを吸っていた最古の証拠といえる。

 今回見つかった足跡の正確な年代を特定するために、いくつかの足跡を採取した。放射線炭素年代測定法を使って、足跡の持ち主の足が周囲の堆積物に有機物を残した可能性があるかどうか、分析できることを研究者たちは期待している。

「雨が降ったときのみ現れる「幽霊の足跡」ユタ州の砂漠で1万年以上前の古代狩猟民族の足跡を発見」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る