世界初、ヨーロッパウナギの繁殖地までの移動ルートの特定に成功 (2/2ページ)

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・人工衛星で追跡し、繁殖地がサルガッソ海であることを突き止める
 今回、イギリスやポルトガルなどの国際的なチームは、ヨーロッパウナギに発信器を取り付け、人工衛星でその謎に包まれた旅路を追った。
長い間科学者を惹きつけてやまなかった謎の解明は我々にお任せください!ヨーロッパウナギはどこで産卵し、どうやってそこに辿り着くのか?繁殖地はサルガッソ海であるという初の証拠を発見しました
 過去の研究では、ヨーロッパ各地のウナギがポルトガル西沖にある「アゾレス諸島」に集まり、それから4つの海流が渦を巻いている「サルガッソ海」の方向へ出発しているらしきことが明らかになっていた。

 サルガッソ海は、船の沈没事故が多発しており、「魔の海」や「船の墓場」といった伝説が伝わるところだ。そんなところに本当にウナギの繁殖地があるのだろうか?

 これを明らかにするべく研究チームは、アゾレス諸島のウナギのメス(21匹)を捕まえ、DNAを採取した上で、発信器を装着。再び大西洋に放して、どこへ向かうか追ってみた。

 するとはたせるかな、過去の予想が正しかったことが証明されたのだ。

 追跡から数ヶ月後、6匹のウナギは確かにサルガッソ海に到着した(なお残り15匹は途中でデータ収集のために回収された)。その記録によると、もっとも長い旅をしたウナギは、直線距離で2275キロを泳いだそうだ。

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メキシコ湾流、北大西洋海流、カナリア海流、大西洋赤道海流に囲まれた海域にあるサルガッソ海 / image credit:public domain/wikimedia・ウナギはなぜ1年もの長旅を続けるのか?
 今回の研究では、ウナギは1日で平均6.8キロ泳ぐことがわかっている。この速度でじっくりと1年もの時間をかけて長旅を続けるのだ。

 このことはウナギが、よく計算された移動をしていることを意味する。

 研究グループによると、ヨーロッパウナギは、早く卵を産もうと慌てて移動することなく、深いところをゆっくり移動している可能性があるという。

 こうすることで、エネルギーを節約し、途中で命を落とすリスクを予防していると考えられる。またゆっくりと旅を続けるうちに、生殖能力を十分成熟させることもできるようだ。

ウナギはどうやって繁殖地を見つけているのか?
 だが、ヨーロッパウナギの謎がすべて解明されたわけではない。たとえば、そもそもウナギはどうやって迷うことなく遠い目的地まで辿り着いているのだろうか?

 もしかしたら、生まれた川に里帰りするサケのように、ウナギは地球の磁場を感知しているのかもしれない。あるいは匂いや海流、温度前線といった手掛かりを利用してる可能性もある。

 こうした謎の解明までにはまだしばらく時間がかかるかもしれない。それでも今回の研究によって、ウナギの旅の地図が完成し、アゾレス諸島はウナギ保全の中心として位置づけられることになった。

 研究グループの1人である、アゾレス大学の魚類生態学者ホセ・マヌエル・N・アゼベド氏は、「今回の発見は、ウナギのライフサイクルにおけるアゾレス諸島の役割を明らかにしています」と話す。

 「この発見は、アゾレス諸島全体のウナギの生息地の回復を推し進めるのに役立つでしょう」

 この研究は『Scientific Reports』(2022年10月13日付)に掲載された。

References:Scientists Track Eels to Their Ocean Breeding Grounds in World-First : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo


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