死者への尊厳や畏敬の念が欠けつつあることと葬儀の簡素化との関係 (1/2ページ)

心に残る家族葬

死者への尊厳や畏敬の念が欠けつつあることと葬儀の簡素化との関係

葬儀はあの世に旅立つ死者を送る儀式である。遺体をただのモノだと考えるなら必要はない行為だろう。モノではないからこそ行われる。しかし最近では、この世の役目を果たして去った人の尊厳を軽んじるような事例が目立っている。

■仲本工事さんをめぐる騒動

ドリフターズの仲本工事さんの葬儀で騒動が起こったと一部メディアが報じた。記事によると、お花入れの時、仲本さんの妻が仲本さんの遺体の写真を撮影していた。その行為に高木ブーさんの娘さんが激昂し、かなり強い口調で注意したという。高木さんの娘さんは“ご遺体は記憶の中にとどめておくものだ”と重ねて注意したが、仲本さんの妻は聞く耳を持たなかった。撮影を止めない妻に、いかりや長介さんの娘さんも止めに入る。すると妻の取り巻きの一人が棺に近づいて遺体をスマホで撮り始めた。彼らは怒られても、“なんで撮っちゃいけないんですか?”と言い返し、悪びれることなく撮り続けていたとされる。妻はさらに取り巻きたちに自分と仲本さんのツーショット写真を撮らせ、“仲本さん、仲本さん!”と呼びかける自分の動画を撮影したりもしていたとも報じている(詳細はこちら)。

ワイドショー的な内容であり、これらがすべて事実であるかは知る由もない。ただ仲本さんの妻は、遺体を撮影したことと取り巻きが注意されたことについては事実だと認めている。

故人の撮影の有無は遺族が決めることであり、その決定に他人が意見を述べる筋合いはない。例えば旅立つ身内を、家族で笑顔で囲むなどといった情景はあってもよいと思われる。しかし、この場合は棺に眠る遺体をよってたかってスマホで撮りまくり、たしなめられても開き直りひと悶着を起こした。遺体の前である。その光景を想像すると背筋が凍る人は多いのではないだろうか。そこには死者の尊厳、死者への畏敬の念が欠けている。

■ユーチューバー逮捕

やや古い話題になるが、ユーチューバーの男が墓地で卒塔婆を振り回すなどした「礼拝所不敬罪」の疑いで逮捕された事件があった。

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