南極の氷の奥深くには大量の生命体。中には未知の生物も (2/4ページ)
南極の海洋生物が信じられないほど特殊で、凍れる世界に驚くほど適応していることを教えてくれます 南極海の一部を構成する海域、ウェッデル海の南部をおおう「フィルヒナー・ロンネ棚氷」での掘削調査は、2015~16年および2016~17年の夏に行われた。
新たな出会いがあったのは、氷を872メートル掘り進んだときだった。不意にドリルがぶつかった岩に、生物がしがみついていたのである。
棚氷の奥深くで、岩のような硬いものに付着した生物が発見されたのは史上初めてのことだ。
これらの生物は、おそらくエサを濾過(ろか)して食べていると推測されているが、これはそれまでの常識をくつがえす発見なのである。というのも、濾過摂食生物はこの深さでは生存できないと考えられてきたからだ。
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未知の種を含む固着生物が、南極のはるか下の岩で発見された / image credit:Dr. Huw Griffiths/British Antarctic Survey
なお、この調査で確認されたのは海綿動物をはじめとする次の3種の生物だが未知の動物も含まれている。こうした中には、肉食の海綿もいる可能性があるという。