銃で4人を殺害した元大学教授。殺人者が科学論文を発表することは許されるべきなのか? (2/6ページ)

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・同僚と関係者4人を銃で殺害
 1992年8月24日午後2時30分、ファブリカントは、3丁の拳銃と弾丸をブリーフケースに忍ばせ、機械工学科の事務所にいた4人の同僚を射殺し、 1 人の大学職員を負傷させた。

 ただし対立していた2人の同僚はその場にはいなく難を逃れた。ファブリカントはその後、同僚1人と警備員1人を人質にとり、自ら緊急通報した。「たった今人を殺した。テレビレポーターと話がしたい」と。

 法廷でファブリカントは一貫して正当防衛を主張した。5か月に渡る審理では10人の弁護士をクビにした。精神鑑定を受けるも、パラノイアの気質はあるが責任能力に問題はないと診断され、結局4人を殺害した罪で、終身刑が下された。

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Concordia University Massacre・殺人犯でありながら獄中で数多くの科学論文を発表
 ヴァレリー・ファブリカントは1996年から2021年にかけて、10誌以上の科学誌で60本近くの科学論文を発表した。それらはいずれも、彼が獄中で書き上げたものだ。

 ファブリカントは自由と引き換えに、刑務所内で科学的な研究を行う時間をたっぷりと手に入れたのだ。

 そして1994年9月、コンクリートのひび割れの数学的解析についてとある学術誌に投稿し、1996年1月に出版された。

 これを知ったコンコルディア大学の学長は、「自由を失ったファブリカントは、科学に貢献する権利も失っているのだ」と批判的だったという。

 だが論文はそのまま掲載され続けた。
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