北条義時に毒を盛った“のえ”が平六と共謀し…北条泰時との家督争い「伊賀氏の変」とは【鎌倉殿の13人 後伝】 (3/5ページ)
6月28日に尼御台・政子(演:小池栄子)と再会した泰時は、軍営御後見(鎌倉殿の後見人=執権)として、武家のことを執り行うべきむねを命じられました。
先の演説でもそうですが、尼御台の仰せはいわば天の声(※『吾妻鏡』でも、義時のやってきたことはほとんど政子の意思・命令によって実行されています)。執権になれと指名されれば誰も逆らえません。
これでもう決定だね……誰もがそう思ったであろうところ、納得行かないのが“のえ”こと伊賀氏。兄弟の伊賀光宗(いが みつむね)とクーデターを共謀したと言います。
我が子・政村を執権に就けるばかりか、娘婿の一条実雅(いちじょう さねまさ。頼朝の義兄弟・一条能保の子。ただし源氏の血縁ではない)を鎌倉殿に祭り上げようとしました。
でも、伊賀一族だけだとちょっと心もとない。そこで出て来たのが三浦義村(演:山本耕史)。政村の村は義村の村、元服に際して(成人男性の証しである)烏帽子をかぶせた烏帽子親ですから、義村は“のえ”の企みに賛同しました。
また裏切るのか、平六……いや、彼にしてみれば「(政村も北条だから)北条を裏切った訳じゃない」と言ったところでしょうか。
しかしそんなふざけた言い訳を、尼御台は許さない。義村の怪しい動きを察知した政子はさっそく義村を呼びつけ、これでもかと釘を刺しました。
「いや、あの。違うんです。