庶民に寄り添い親しまれている観音さまこと観音菩薩と観音経 (1/2ページ)

心に残る家族葬

庶民に寄り添い親しまれている観音さまこと観音菩薩と観音経

数多い仏教の仏神の中で「お地蔵さま」こと地蔵菩薩と並び、最も人気があり庶民に親しまれている仏が「観音さま」こと観音菩薩である。慈悲に満ちた穏やかな表情、「南無観世音菩薩」と観音菩薩の名を一心に称えることで功徳を頂くことができるなど、観音さまは迷える人たちの心の支えとなってきた。

■観音菩薩とは

観音菩薩の「菩薩」とは悟りを開いた最高位の仏様「如来」の候補生として修行中の身である。如来の弟子としての観音菩薩は阿弥陀如来の脇侍として登場することが多い。有名な阿弥陀三尊像は阿弥陀如来の両脇に普賢菩薩と観音菩薩が仕えている。臨終の際に阿弥陀如来が迎えに来る様子を描いた「来迎図」にも阿弥陀如来が両脇に従えているのは普賢・観音菩薩である。

観音菩薩は元々は正法明如来という如来だった。しかし如来という高い位置からでは迷える衆生を救うことができない。観音はより人間に近い菩薩となり、娑婆へ降り立ったという慈悲の仏である。その慈悲にすがりたいと願う人たちの間で観音信仰が盛んになった。

一般的に観音菩薩は女性だとされることが多い。本来如来や菩薩に性別はないはずだが、観音像に女性を感じさせるのは、慈愛や優しさの現れでだろう。「お地蔵さま」と並び親しまれる理由のひとつである。一方で例えば群馬県高崎市の「白衣観音像」には「女性」である観音さまがヤキモチを焼くので、カップルが行くと別れさせられるというジンクスがある。群馬県のご当地かるた「上毛かるた」の「ひ」の札には「白衣観音慈悲の御手」とあるのだが。観音のこのような人間的な謂れも、衆生の観音への親しみの裏返しといえるのかもしれない。宇宙の真理そのものを現しているという大日如来がヤキモチを焼く姿はあまり想像できない。

■変幻自在の観音さま

観音菩薩といってもその姿は様々だ。全国各地に「〇〇観音」が存在し、「観音経」では観音菩薩が三十三の姿になって現れる。三十三観音、三十三間堂などはこれに由来し、全国には秩父三十四箇所や西国三十三所などの観音霊場があり巡礼が行われている。特に知られている「聖観音」「千手観音」「如意輪観音」などの六観音は、死後に生まれ変わる六つの世界「六道」のそれぞれに応じた形で救いに現れるという。

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