もう「姫若子」とは呼ばせない!初陣で覚醒した戦国大名・長宗我部元親の武勇伝 (4/6ページ)
原文では湖江之城)へ乗り込むぞ!」
勢いづいた元親が命じると、老臣たちは口を揃えて諫めました。
「お待ち下され。古来『勝って兜の緒を締めよ』とはまさにこのような状況。勢いに驕ってはなりませぬ!(勝テ甲ノ緒ヲしムルトハ加様ノ時節也暫相待玉ヘ)」
ましてこちらは少数、もし敵が潮江城に立て籠もっていれば、とても攻略などできません。ここはいったん引き上げて態勢を整えてからでも遅くない……しかし元親はあえて進軍を命じます。
「案ずるな。既に物見を出しておる。すでに城はもぬけの殻じゃ」
果たして潮江城に到着すると、既に敵は残っておらず、元親たちは労せず城を乗っ取りました。
「これは何ゆえ……(何思召此山城ヘ御懸リ給)」
いぶかしむ老臣たちに、元親は答えます。
「先ほど戦った折、潮江からは兵が出てきておらなんだ。味方が押されていても兵を出さぬということは、既に出す兵がおらぬか、あるいは我らと戦うつもりがないかのいずれかであろう。どのみち我らに抵抗する意思も力もなきゆえ、城を乗っ取ろうと決めたのじゃ」
なるほどそこまでお見通しとは……すっかり感服した老臣たちは、元親の慧眼を褒めたたえたということです。