献花や供花に用いられた植物の種類や歴史を時代や地域別で分類 (1/3ページ)

心に残る家族葬

献花や供花に用いられた植物の種類や歴史を時代や地域別で分類

お葬式と言えば欠かせないものの一つにお花がある。以前、知り合いの花屋が、うちは葬儀屋とのコネクションがあるから潰れることはないよ、と言っていたのを聞いたことがある。いささか現実的すぎる話ではあるが事実なのだろう。それはさておき、子供時代飼っていたペットなど亡くなってしまった時には土に埋めてお墓を作り、道端の花を飾ったりした人も多いだろう。なぜそうしたか?と聞かれても、理由は答えられないのではないだろうか。では亡くなった人に花を手向ける行為はいつ頃から見られたことか?またその草花の種類、託された人々の想いとはどのようなものであったろうか。

■供花の最も古い痕跡〜シャニダール遺跡

最も古い供花の痕跡は6万年前のネアンデルタール人の古代遺跡で、人骨と共に大量の花粉が発見されている。その花粉は、死者の体の上部に集中しており、遺体を花束のようにして花や草で包んでいたと推測されている。

使われた植物は花粉の分析結果から、ノコギリソウ(ヤロウ)、ヤグルマギク、アザミ、マロウブルーなど8種類と判明している。それらは全てハーブであり、そのうち7種類は今でも医薬などで使われているものだ。死者を悼むために、そのような貴重な薬草を使ったのだろう。中でもノコギリソウ(ヤロウ)は詩人ホメーロスの描写にも出てくる伝統的なハーブであり、ギリシャの英雄アキレスがヤロウを使って負傷兵の傷を治した逸話が残っている。

■ファラオの墓に添えられたブーケ

また一方のヤグルマギクだが、その名前からエジプトのファラオを思い出す方もいらっしゃるのではなかろうか。カイロエジプト博物館の、アンケセナーメン王妃がツタンカーメン王のお墓に入れたと言われるヤグルマギクの花束の展示が、大変有名だからだ。約3300年前のブーケが粉々にならずに残っているのは驚くべき事で、発見者のハワードカーターも一番心打たれた出土品だと洩らしたそうだ。

このヤグルマギク、ハーブ名はコーンフラワーと言い、鮮やかな群青色の花を咲かす。この色はアントシアニンによるもので、抗酸化、抗炎症、抗菌、解毒などの薬効があり古くから利用されている。

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