「従業員のモチベーション向上」は不可能 人事評価制度の本質とは (4/5ページ)

新刊JP

――白潟さんや石川さんもコンサルタントとして中小企業の経営者と対することが多いかと思いますが、どういったプロセスで組織を変えていくのですか?

白潟:たとえば、社長が「人事評価制度を変えたい」と言ってきても、変えることはほぼありません。先ほど石川がお話ししたように、人事評価制度はあくまでただの制度でありルールなので、それが組織の課題になっているわけではないですよ、という話をします。

本質は人事評価制度ではなくて、評価をする側の管理職や幹部をいかに育成するかなんです。

――それは話しているうちに経営者の方々も気づくことなのですか?

白潟:時間をかけて経営者の方と話すうちに、ほとんどの方には気づいていただけます。質問をしながら社長の思いを引き出していると、どこかで「これ、問題は人事評価制度ではなくて、評価者(管理職)だね」となる。

石川:中小企業の社長が人事評価制度を入れたり、作り変えたりということを思いつくのって、たとえば会社のミッションに共鳴していなかったり成果を出せていなかったりといった、乱暴な言葉でくくるなら「やる気がない人たち」をどうにかしたい、という思いからくることが多かったりするんですよね。

ただ、やる気がない人に対して評価制度を作って「これだけがんばったら給料が上がるよ」というのを見せてがんばるようになるかというと、基本的にはそうはならないわけです。

一方でやる気がある人や仕事ができる人は人事評価制度がない時期でも職場内で高く評価されていますし、モチベーションも高いので、人事評価制度が導入されても働きぶりは変わりません。できない人はできないままだし、普通な人は普通なままだし、できる人はできるままです。

白潟:実際は人事評価制度を入れたことで従業員のモチベーションという点では悪化する可能性すらあります。「2・6・2の法則」というのがありますが、上位2割の従業員は石川が言ったように、人事評価制度があってもなくてもがんばるんです。下位2割の人も同様で人事評価制度ができたところでやる気を出すかというとそうはなりません。

「「従業員のモチベーション向上」は不可能 人事評価制度の本質とは」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る