宇宙初期に誕生した古代銀河で複雑な有機分子を発見 (3/4ページ)
これがビッグバンからわずか15億年内に形成された古代の銀河「SPT0418-47」からやってきた光を中継し、波長の3.3マイクロメートルまで特定できるほどの細部を地球に届けてくれた。
これをジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観察したテキサスA&M大学の天文学者チームによると、PAHのチリは分布にムラがあるため、その銀河のどこに星が形成されているのか調べることができるという。
またその光からは、銀河内の赤外線で支配的なのは、物質を飲み込むブラックホールが放つものではなく、星の形成によって放たれるものであることを示しているのだそう。
この複雑な芳香族分子のスペクトルは、これまででもっとも遠くで検出されたものだ。まだまだ不明なことがたくさんあるが、初期宇宙の今後の研究を照らしてくれる幸運のサインであるかもしれない。
この研究は『Nature』(2023年6月5日付)に掲載された。