昔より人の道徳観や倫理観が低下しているという考えは幻想であるという研究結果 (1/5ページ)
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「昔はお互いに助け合うのが当たり前だった」とか、「自分が子供の頃は家に鍵をかけなくても大丈夫だった」と年配者は話す。
インターネットの普及により、SMSが人を自己中心的にし、以前よりも意地悪で失礼になったと主張する人もいる。
右を向いても左を向いても、嫌ななニュースが絶え間なく報道され続けてており「人間の道徳観や倫理観は年々低下している」と考える人は多い。
だが本当にそうだろうか?人類はどうしようもなく堕落してしまったのか?
心理学者らの新たな研究によると、実際にそんなことはなく、道徳観は比較的安定しており、ただの幻想にすぎないという。
・人間の道徳観・倫理観は低下しているという考えは幻想
心理学者のアダム・マストロヤンニと、ダニエル・ギルバートの研究によると、「人間の道徳観・倫理観(モラル)がどんどん低下している」という考えは、根強い幻想にすぎないという。
「この数十年、世界中の人々に過去と現在のモラルを比較してみてください」と求めてみると、ほぼ全員が、現在のモラルは過去よりも圧倒的に悪くなっていると答えている。
しかし、現在のモラル性について訊ねた調査では、時代が変わっても比較的安定しているという回答だった。
つまり、昔より今のほうがモラルが低下しているという認識はただの思い込みで、誤りであることを示している。
今日、私たちが目にする不愉快な出来事はすべて、今現在始まった新たなことだという強い感覚は、幻想にすぎません『Nature』誌(2023年6月7日付)に掲載された論文の筆頭著者であるマストロヤンニは言う。