昔より人の道徳観や倫理観が低下しているという考えは幻想であるという研究結果 (4/5ページ)
こうした幻想には、いくつかの理由が考えられるが、マストロヤンニは、根深いバイアスの結果かもしれないという。
研究によると、人はその瞬間的にネガティブな情報に対してバイアスがかかるが、ネガティブな出来事は記憶から薄れやすく、昔のほうが良かったと過去を脚色してしまうという。
その結果、バックミラーに一種の歪みが生じる。後方の道は平坦に見えるのに、これから進んでいく道は荒れているように見え、どこかで道を間違えたと決めつけることが多い。
その結果は、重大なものになる可能性がある。ボストン大学の道徳心理学者リアナ・ヤングは、他人の道徳感に影響される可能性があると指摘する。
もし、私がまわりの人たちのモラルが低下していると思ったら、悲観的になって、自身の道徳基準を下げることにつながるかもしれません・モラルが低下しているという幻想から抜け出すには?
「モラルが低下しているというバイアスが、見知らぬ人と話したり、彼らの親切に素直に頼るといった行為そのものを妨げているのかもしれない」とマストロヤンニとギルバートは書いている。
しかし、彼らは幻想を減らす可能性のある方法を見つけ出した。それは、人々に対して、自分自身の人生において、個人のモラルについて考えるよう求めることだ。
誰もが、ある島にいると、自分の島の人々は改善しているが、ほかの島の人々は皆、悪化していると言うものです。