古来から恐れられる呪術「丑の刻参り」そもそもは良縁・心願成就が始まりだった【後編】 (4/5ページ)
丑の刻参りによって、妖怪を呼び出す女:葛飾北斎(写真:wikipedia)
また「祈り杉」の隣には、神の人形に縁を切りたい悪縁などの願いごとと姓名を書いて水に沈めるという厄除け・開運を願える「人形(ひとがた)祓い所」があります。
地主神社の「祈り杉」は、ただ呪いのためではなく、悪縁や厄災を断ち切って良縁の「おかげ」をいただける霊験あらたかな神さまとしても信仰を集めてきたようです。
「丑の刻参り」と聞くと恐ろしい呪いの儀式というイメージがおおきいのですが、本来の意味はその逆で心願成就の祈りの参拝だったそうです。
遙か昔、丑の年・丑の月・丑の日・丑の刻に貴船大神が天下万民救済のために、仏国童子を儒者とし貴船山中腹の鏡岩に降臨したことが由来……とも 伝わっています。
京都・地主神社の公式ホームページ、地主物語「いのり杉 のろい杉」にはこのように記してあります。
本当の声に素直になること
ときに人は、妬んだり、恨んだりするよこしまな心が出てくる場合がある。また、先の話のように、失った愛を取り戻すため、五寸釘を打ち込んで縁が切れるよう祈ったり、ということも。しかし、気付かないうちに、心の底ではいつも神に助けを求めている。