将来の妊娠に影響? 20~30代女性が考えたい「プレコンセプションケア」を産婦人科医が解説 (2/5ページ)
若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうことで、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすることが目的の一つです。
2006年には、米国疾病管理予防センター(CDC)が「プレコンセプションケアの10の主要な指標」を発表しています。
1.多量飲酒 2.うつ 3.糖尿病 4.葉酸摂取 5.高血圧 6.適正体重 7.運動 8.喫煙 9.望まない妊娠 10.産後の効果的な避妊
さらに、2012年にはWHOがプレコンセプションケアを「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義しています。
近年、日本でもプレコンセプションケアという言葉を耳にする機会が増えてきましたが、このように、海外ではだいぶ前からプレコンセプションケアが重要視されていました。医療制度の違いもありますが、ヨーロッパでは、家庭医というものが根付いており、生理が始まったら医師と自分の体について話し、自分の体を知っていくというのが当たり前です。一方、日本は病気になって初めて産婦人科にいき、自分の体について知る女性が多いと思います。
こういった背景もあり、これまでは結婚や妊娠を考えはじめる前の女性がプレコンセプションケアを考える機会はほとんどありませんでしたが、2021年に日本で初めて福岡市がAMH(卵巣予備能検査)という残りの卵子の数を調べる検査をワンコイン(500円)で受けられるという取り組みを始めるなど、少しずつ動きがでてきています。
■妊孕率は35歳を境に下がっていく
女性が子供を妊娠し、健康的に出産することができる率を表す「妊孕率(にんようりつ)」は、「35歳頃から下がっていく」という事実をご存じでしょうか。
実は、世界の中でも日本人はこういった「妊娠能力」についての知識レベルが低いという結果が出ています。
学校で避妊については授業で教えてくれますが、妊孕率の話までしてくれる学校はほとんどないと思います。実際、私のクリニックの患者さんも、不妊治療をするようになってから、はじめて知ったという方も少なくありません。