デンキウナギの放電が周辺生物の遺伝子に変化をもたらす可能性 (1/4ページ)
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アニメや漫画の設定には「電撃に打たれて特殊能力に目覚めてしまった!」というものがあるが、実際にそれに近いことが自然界で起きているかもしれない。
名古屋大学大学院の飯田敦夫助教をはじめとする研究チームは、アマゾン川などに生息する雷神「デンキウナギ」が放つ最大860ボルトもの電気が、周囲の生物の遺伝子組み換えを後押している可能性を明らかにしている。
『PeerJ』(2023年12月4日付)に掲載された研究によれば、デンキウナギの電撃には、実験室で行われる電気を使った遺伝子導入法「エレクトロポレーション(電気穿孔法)」と同じような効果があると考えられるそうだ。
・強力な電気を放電するデンキウナギの影響
遺伝子の謎に取り組む研究者たちは、細胞に外部の遺伝子を取り込ませるため、電気を使うことがある。これを「エレクトロポレーション(電気穿孔法)」という。
エレクトロポレーションは、細胞に電圧をかけることで、細胞膜に一時的な孔を開けてやる方法だ。そうすることで、DNAやタンパク質などの分子が細胞に取り込まれるようになる。
デンキウナギは、最大860ボルトにもなる強力な電気を発生させて獲物を気絶させて狩りを行う強電気魚だ。