あまりにもブラックすぎ…身分差別や強制入隊、突然のクビ…美化されすぎた「奇兵隊」の真実 (4/4ページ)
では戊辰戦争が終了した後、奇兵隊はどうなったのでしょうか? 中には、山縣有朋のように政府で活躍した人もいましたが、実はほとんどの隊士たちはいきなりクビになっています。
![](https://image.dailynewsonline.jp/media/e/8/e8e1500dbe21bc01d36d0444f923c84a83511b30_w=666_hs=aae31d23a8cd2d9a95ea3286e20e936a.jpeg)
これは奇兵隊だけではなく、奇兵隊を含む長州藩の各部隊に共通する措置でした。隊士たちは、論功行賞を与えられることもないまま解散させられたのです。
当時、これらの各部隊の隊員は総勢5千人以上いました。しかし、新たに結成されることになった常備軍で引き続き雇われたのは、半分以下の2千人ほどに過ぎませんでした。
さすがに、この措置に激怒した各部隊の隊士のうちおよそ2千人は、反乱事件を起こしています。それも無理のない話ですね。
このように見ていくと、実は一般的に知られている奇兵隊のイメージはかなり美化されたものだと分かるでしょう。四民平等などという素晴らしいものではなく、その内実は大変ブラックだったのです。
参考資料:
日本史の謎検証委員会『図解 幕末 通説のウソ』2022年
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan