大西洋の海洋循環が崩壊に向かっていると新たな研究が指摘 (2/4ページ)

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大西洋南北熱塩循環(AMOC)は地球規模の海流システムの一部であり、冷たい海底水と温かい表層水を世界中に循環させている。 / image credit:: NOAA・気候変動が海洋循環の崩壊を加速させる懸念
 今懸念されているのは、気候変動による地球温暖化がこの海水の循環を狂わせてしまうことだ。

 これまでいくつもの研究が、現在AMOCは弱まりつつあり、その流れがここ数世紀でもっとも遅くなっていることを示している。

 そうした研究によるなら、温暖化がもっと進めば、AMOCはさらに減速するだろうと考えられる。それどころか、今後数十年か数年で、AMOCが完全に止まってしまうと主張するものもある。

 一方、温暖化がAMOCに与える影響についてははっきりしない点が多く、崩壊のXデーがいつなのか確かなことはわかっていない。

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photo by iStock・新たな大規模なシミュレーションで崩壊を告げるサインを発見
 今回オランダ、ユトレヒト大学のチームもまた、こうした懸念すべき予測が正しいだろうことに同意している。

 彼らは大規模なコンピュータ・モデルを実行し、2200年間にわたる北大西洋の流れをシミュレートした。

 ここから明らかになった重要なことは、大西洋の南緯34度線あたり(大西洋の南の境界)の”淡水”が、AMOCの崩壊を告げるサインであるということだ。

 ここでの淡水は、溶けた氷・雨・河川などによって流れ込んでくる水のことだ。流れ込んだ淡水は、海水の塩分濃度を薄くするために、海流を弱めると考えられる。
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