フィクション作品を読んだり視聴する人は認知能力が優れている傾向にある (3/5ページ)
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photo by Pixabay・だたしこの研究には注意すべき点がある
ただし注意すべき点がある。2つのメタ分析の結果は、必ずしも一致しておらず、そのことが今回の結果の解釈を難しくしている。
2つのメタ分析をまとめると、期間が短い実験的研究で確認できたフィクションの影響は、社会的認知(共感と心の理論)に対するものだけだ。
一方、それまでの小説の読書量を比較した研究では、道徳認識以外のすべての認知的能力で確認できた。
なぜこのような食い違いが出るのか? その理由について、主執筆者のレナ・ウィンマー氏は次のように説明している。
まず、短期的なフィクションの読書については、「社会的認知能力だけに効くが、その効果は時間が経過しても大きくなることはなく、だんだんと統合されていく」のかもしれない。
その一方、長期的なフィクションの読書効果については、「読書すればすぐに測定できるほど大きく現れることはなく、時間の経過とともに蓄積される」と考えられる。
あるいは解釈次第で、長年小説を読み続けたとしても、認知能力に対する独自のメリットはそれほどないという反証とみなすこともできるという。
言語能力や一般的な認知能力に対する効果が、因果関係まではわからない相関研究でだけ確認され、実験では確認できないのだとすれば、小説を読んでも持続的な認知的効果はないと考えることもできます(レナ・ウィンマー氏)仮にそうなのだとすれば、フィクション小説の読書は他人の気持ちを察する力を高めてはくれるものの、それ以外の認知能力全般で見られたプラス効果については、小説を好む人はもともと認知能力が高かったり、学歴といったものの影響である可能性もあるという。
結局、フィクションが私たちの認知能力に与える影響は、部分的にはありそうだが、まだまだ不確かで研究を行う余地がある。