サハラ砂漠は緑豊かな場所だった。4000年前の岩絵に牛の姿 (1/4ページ)

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サハラ砂漠は緑豊かな場所だった。4000年前の岩絵に牛の姿
サハラ砂漠は緑豊かな場所だった。4000年前の岩絵に牛の姿

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 アフリカ、スーダン北部の町ワディハルファの東、ほとんど雨が降らないサハラ砂漠の最も荒涼とした地域で16の岩絵が見つかった。これら岩絵に共通しているのは、必ず牛の絵が描かれていることだ。

 現在の乾燥しきった砂だらけの砂漠の環境を考えると、大量の水や草が必要な生き物である牛の絵が岩に描かれている状況は不可解だ。

 つまり、今回見つかった牛の岩絵は、かつてサハラが牧草地が広がる緑に覆われていたという過去を証明するもっとも重要な証拠だと言えるという。

・かつてサハラは湿潤な環境だった
 モロッコからスーダンにかけて広がる広大なサハラ砂漠は、実はかつてはもっと湿潤な環境だった。

 気候科学者、考古学者、地質学者はこの時期を「アフリカの高湿度期」と呼んでいる。これはアフリカ大陸全体で夏のモンスーン降水量が増加した時期で、およそ1万5000年前に始まり、5000年前頃に終わった。

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スーダン北東部の乾ききった砂漠 / image credit:Julien Cooper

 この「緑のサハラ」は人類史において重要な時期にあたる。

 この時期に北アフリカでは農耕が始まり、動物が家畜化されたのだ。およそ8000~7000年前のこの短い「湿潤の狭間」に地元の遊牧民が、隣国であるエジプト北部や中東から牛やヒツジ、ヤギなどの家畜を導入した。・人と動物の密接なつながりがあった
 スーダンの岩のキャンバスに、先史時代のアーティストたちが家畜の絵を描いたときは、砂漠は草で覆われた草原だった。
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