伊周・隆家兄弟の没落確定…誤解から放たれた矢が花山院に!大河ドラマ「光る君へ」5月12日放送振り返り (5/5ページ)

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まひろが夢見た?科挙の現実

科挙の様子(画像:Wikipedia)

「宋の国では、才能さえあれば身分の壁を越えて政に参加できる」

中国大陸の歴代王朝で行われている官吏登用試験・科挙(かきょ)に憧れをもち、畏れ多くも初対面の一条天皇と藤原定子(高畑充希)に対して「夢」を語り出すまひろ。

努力しだいで誰でも活躍できる可能性がある……女性だからという理由で才知を発揮できずにいた彼女にしてみれば、夢のような世界に映ったのかも知れません。

しかし科挙の現実はそんな理想とは異なり、苛烈を極める受験競争(倍率は3,000倍近くに上ることも)のあまり精神障害や過労死、自殺にまで追い込まれる者も少なくありませんでした。

科挙制度は隋の文帝(在位:開皇元・581年~仁寿4・604年)によって導入され、その後も隋・唐・宋・金・元・明・清と歴代王朝に継承されていきます。

また朝鮮やベトナムにも類似の制度が普及し、実に6世紀末から20世紀初頭にかけて行われてきましたが、基本的に受験資格は男性にしかなかったそうです。

女性に受験資格が与えられたのは19世紀、洪秀全(こう しゅうぜん)が起こした太平天国におけるただ一度きり。

その時の試験テーマが「惟女子与小人為難養也(女性とバカは始末に負えない)」という『論語』の一節について論じさせるものだったとか。

まったく皮肉としか言いようがありませんが、もしまひろが受験していたら、どんな痛烈な論文を書き上げたでしょうね。

伊周の妾・藤原光子(三の君/寝殿の上)について

藤原光子(イメージ)

藤原為光の娘だから光子(竹内夢)。あるいは三の君だから三つ→光子にしたのかも知れません。

この名前は本作における創作であり、同時代に藤原光子(こうし/みつこ)という女性は別にいました。

【光る君へ】藤原伊周の妾(三の君)とは別人、同時代を生きた藤原光子とはどんな女性だった?

本作の光子は三の君、または寝殿の上(しんでんのうえ)と呼ばれています。

劇中でも演じられていた通り、花山院のお目当ては光子ではなく、その妹である四の君こと藤原儼子(げんし/たけこ)でした。

それを光子が寝盗られたと勘違いして伊周が落胆、隆家が花山院を襲ったのは劇中の通りです。

ただし疑いを持った同日ではなさそうですが……襲撃するにしても、普通は事情や相手を確認してから決行しないのでしょうか。

さすがは「さがな者(荒くれ者)」の異名をとる隆家。いかにも考えなし感が見事演じられていましたね。

かくして勃発した長徳の変ですが、それから三の君光子がどうなったかは記録がありません。

没落していく伊周について行ったとも思えないので、そのままフェイドアウトしていくのでしょう。

次回くらいは登場するかも知れませんね。

【情報求む】恒方(尾倉ケント)とは何者?

為時に昇叙を伝えに来た文官か?(イメージ)

今回における最大の謎……と、筆者が勝手に位置づけている恒方(つねかた)。彼は一体何者なのでしょうか?

画面をじっくり見ていると、冒頭で一条天皇の元へ参上する道長に随行していた赤い束帯の彼かも知れません。それ以外に名のありそうなモブ人物はいませんでしたし。

あえて名前を出すからにはモデルとなる人物がいるのかと思い、ひとまず『尊卑分脈』を調べてみました。

しかし恒方という名の人物は一人もいません。劇中で説明があった通り、赤い束帯は五位以上の殿上人ですから、相応の身分があるはずです。

漢字が違うのか、それとも名前を少しいじったのか……もう少し調べてみようと思います。

もし恒方についてご存知の方がいらしたら、ぜひご教示ください。

【追記:R6.5.13】

一晩明けてTwitterを見たら、どうやら為時に従五位下への叙位を告げた文官のようです。

今後も登場するようですが、それでもまだ何者かは分かりません。もう少し調べてみましょう。

第20回放送「望みの先に」

一度放たれてしまった矢は、もう戻すことはできません。

既に凋落の兆しを見せていた伊周・隆家兄弟の没落が決定的となる瞬間でした。

次週の第20回放送は「望みの先に」。誰が何を望むのかは分かりませんが、長徳の変における後始末が描かれるものと予想します。

次回予告では定子が短刀を振り回し、まひろと清少納言がベタな変装をしていましたが……一体何事でしょうか。次週も楽しみですね!

トップ画像:大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより

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