言葉に出さずとも内なる声を解読する、脳の読み取り装置が開発される (3/4ページ)

カラパイア



[画像を見る]

photo by iStock・更なる研究で声を失った人とコミュニケーションできるように
 こうした技術は声を失った人にとって大きな希望になるだろう。世の中には意識があって目も見えるのに、体をまったく動かせず、会話もできない人たち(閉じ込め症候群)がいる。こうした人たちが、再びコミュニケーションできるようになるなら素晴らしいことだ。

 今回の研究は、心の声を読む技術を大きく前進させたが、それでもその実用化までの道はまだまだ長い。

 なにしろ心の声を出す時、脳内で何が起こり、どのように処理されているのかよくわかっていない。例えば、脳は心の声を”音”として表現しているのか、”意味”として表現しているのかも定かではない。

 また今回の被験者は脳の会話に関する部分はまったく無傷で、話すこともできることを考えると、そもそもこの技術を本当に声を失った人に応用できるのかどうかも不明だ。

 なお研究チームの今後の予定は、電極アレイでアルファベットを区別できるかどうか試すことであるそう。それができれば、考えるだけで文字を綴るなんてことも実現するかもしれない。

 この研究は『Nature Human Behaviour』(2024年5月13日付)で発表された。
「言葉に出さずとも内なる声を解読する、脳の読み取り装置が開発される」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る