平安時代のインスタ!?清少納言の『枕草子』は共感する毒舌と炎上しそうな悪口が面白い(前編)【光る君へ】 (2/4ページ)
『枕草子』は清少納言が、66代一条天皇の妃・藤原定子(ふじはらのていし)に仕えていたころに書かれたもので、気ままに書かれたその内容は大きく分けると……
▪︎類聚(るいじゅう)的章段:「物尽くし」ともよばれ、「うつくしきもの~」とか、テーマを決めて、自分の感性に触れることを列挙し主観的な解説を加えたもの
▪︎随筆的章段:自然の風景や人々の美しい面など、自分の主観的な意見を述べたもの
▪︎日記的章段:宮仕えの間に見聞きした出来事を回想しながらあれこれと描いたもの
ただ、それぞれを淡々と書くのではなく、清少納言特有の洒落やウィットを効かせ、ときどき「裏垢女子」的な毒舌もありで、1,000年以上もの時を経ているとは思えないほど、イキイキとしているのです。
キラキラ宮廷女子のような「上品で美しきもの」
たとえば、清少納言がキラキラ宮廷女子のような感じがする一節として有名なのが「あてなるもの」(上品で美しいもの)という一節。
(原文)
あてなるもの、うす色に白がさねの汗袗かざみ。かりのこ。削った氷にあまずら入れて、あたらしき金鋺かなまりに入れたる。水晶の数珠ずず。藤の花。梅の花に雪の降りかかりたる。いみじううつくしきちごの、いちごなど食ひたる。
(意訳)
上品なもの。薄色の袙の上に白い汗衫を重ねて着た少女。鴈の卵。