パリも日本も、どこにいても私は私。女優・杏の“環境の変化”への向き合い方 (2/4ページ)

マイナビウーマン

台本を最初に読んだ時、杏さんは「現代のおとぎ話みたい」と率直に思ったそう。そのことについて杏さんは「なかなかできないことを行動に移して、束の間かもしれないけれども、本当の幸せを体現できるというのが、おとぎ話みたいなんですよね」と説明する。

「不自然かもしれないけれども、確かにそこに本当のものを一瞬でもいいから作りたかったっていう、本当に自分の中のエリアというか箱庭を作っていくかのように、社会からは隔絶された自分の空間を作り上げたというのは、もし私が同じ状況になってもできるか分からないなと思いました。できるか分からない、というのは、本当に映画を観たみなさんが一人一人考えることなんだと思います」

この作品は、愛について、自分の中の正義について考えさせられる作品のように思う。作中で演じた千紗子について杏さんは「違う人格」だと話すが、限りなく千紗子の考えに寄り添う理解の深さは、この作品へ向き合って来た杏さんのすごさを感じずにはいられない。

「感情がすごく揺れ動いて疲れることもありました。つらいシーンもたくさんあったので、その感情に揺さぶられていたらその日の撮影が終わっていた、ということも多かったように思います。2日に一度くらいのペースで泣いていたので、結構大変な現場でしたね」

作品について「箱庭の中の、花が枯れるまでのおとぎ話」だと表現し、「きっと長くは持たなかった」と話す杏さん。その美しくも儚い表現に、作品を思い出してはグッと胸が締めつけられる。

千紗子の行動は、法の下では許される行為ではなかったかもしれない。しかし、少年にとって安らかな場所を提供するために、自らの環境はおろか、境遇さえも変えてしまう。善悪の判断はそれぞれに委ねられるが、この作品で描かれている千紗子は、環境を変えることに対して、そうした“強かな心”を持っている。

■「おおむね面白く生きてます」パリで暮らすもう1人の自分

映画で千紗子が田舎に戻ってきたことで思いもよらない変化が訪れたように、環境を変えることは、人生を大きく変えることだ。

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