ネアンデルタール人から受け継がれたDNAが自閉スペクトラム症の発症と関連していることが判明 (4/6ページ)
そうではなく、そうした人たちでは、ネアンデルタール人由来の希少変異が平均よりも多く見られるということだ。
だから、ある人の体にネアンデルタール人のDNAがあるからといって、それだけで自閉スペクトラム症になりやすいわけではない。
だが、そのうちの珍しいタイプの変異を受け継いでいると、影響を受けることがある。
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photo by iStock・ネアンデルタール人由来変異の影響は民族によっても異なる
ネアンデルタール人由来の変異でも一般的なもの(人口の1%以上がもつ)について言うと、非ヒスパニック系黒人とヒスパニック系白人の自閉スペクトラム症患者では、希少変異とは逆に普通より少ないことが明らかになっている。
ただしこの傾向は、非ヒスパニック系白人の自閉スペクトラム症患者では見られなかったという。
また自閉症に関係するネアンデルタール人由来の変異は、ほかの症状とのつながりがあることも判明した。
例えば、SLC37A1遺伝子のとあるSNP(一塩基多型)は、非ヒスパニック系白人では自閉スペクトラム症者だけでなく、てんかんにも関連していた。
てんかんを持つ自閉スペクトラム症者では、てんかんがない自閉スペクトラム症者に比べてこの変異が多く、家族にてんかん患者がいる人ではこれがさらに多く見られた。
ほかにも、知的障害・言語遅延・言語退行に関係するネアンデルタール人由来の変異も見つかっている。
こうしたことは、ネアンデルタール人由来の遺伝子変異が、自閉スペクトラム症だけでなく、ほかの症状にも影響している可能性を示している。
また、こうしたネアンデルタール人由来変異の影響は、民族によっても大きく違っていた。
人間のゲノムは民族によって多少の違いがあるが、自閉症を生じさせるネアンデルタール人の変異は、そうした違いの影響を受けているということだ。