ネアンデルタール人から受け継がれたDNAが自閉スペクトラム症の発症と関連していることが判明 (5/6ページ)

カラパイア



 つまり、アメリカ黒人では自閉スペクトラム症を発症させやすくするネアンデルタール人由来変異が、ヒスパニック系や非ヒスパニック系の白人ではほとんど影響がないといったケースもあるということだ。・自閉スペクトラム症のルーツを探る
 こうした発見は、自閉スペクトラム症とその遺伝的背景についての理解を深める重要な手がかりになる。

 ネアンデルタール人のDNAの役割を解明することで、絶滅した彼らと私たちの祖先との交雑が、現代人の神経発達疾患をどう作り出してきたのか探ることができるだろう。

 その一方、こうした研究は、遺伝子によって人を選別する優生学的な発想を助長しかねないという意見もあるかもしれない。

 カサノバ氏は一例として、遺伝子検査でダウン症のリスクが判明した赤ちゃんは30%が中絶されている現実を指摘する。

 だが同氏は、ネアンデルタール人由来の変異を特定したところで、優生学的な思想にはつながらないと話す。

 なぜなら、その変異は自閉症ではない人はもちろん、自閉スペクトラム症が全く見られない家系にも受け継がれているからだ。

 だから、この変異を調べれば、自閉スペクトラム症とその複雑なルーツの全体像を明らかにするヒントにはなるだろうが、優生学的な手段としては使えないのだという。

 カサノバ氏は今後、調査対象をゲノム全体にまで広げるとともに、アジア系やアメリカ先住民族の自閉症についても調べるためにデニソワ人の遺伝子も分析したいと考えているそうだ。

 この研究は『Molecular Psychiatry』(2024年5月17日付)に掲載された。
「ネアンデルタール人から受け継がれたDNAが自閉スペクトラム症の発症と関連していることが判明」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る