古代ローマ人の墓から2000年前の液体のワインが発見される (2/4ページ)
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墓には8つの埋葬用のくぼみがあり、そのうち6つには石灰岩、砂岩、またはガラスと鉛で作られた壷が置かれていた / image credit: Juan Manuel Roman・骨壷のひとつから赤っぽい液体を発見
この骨壷のひとつからは、パチョリ(シソ科の植物)で作られたのローマ時代の香水が発見され、昨年大きなニュースになったが、骨壷を開けた考古学者を一番驚かせたのは、ガラス容器を満たしていたまた別の液体だった。
そこには荼毘に付された男性の骨に、双頭のヤヌス(ローマ神話の神)をあしらった金の指輪も入っていた。
指輪は後から納められたらしく、火葬されたとき故人が身に着けていたものではないようだ。また遺体が火葬された台のものらしき、金属製の足もあった。
とはいえ最も注目すべきはやはり骨壺を満たしていた5リットルほどの赤っぽい液体だ。
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骨壷を満たす赤っぽい液体/ image credit:Juan Manuel Roman・シェリー酒に似た白ワインだったことが判明
スペイン、コルドバ大学の化学者ホセ・ラファエル・ルイス・アレボラ氏らは、それが結露や浸水によるものではないことを確認すると、正体を特定するべく分析に取りかかった。
すると、pHは7.5と水に近く、現在のワインとよく似た成分であることがわかったのだ。
たとえば、抗酸化作用で知られるポリフェノールが7種類検出された。これをアンダルシア地方のワインに含まれるポリフェノールと比較したところ、ぴたりと一致したのである。