天の川銀河を秒速450kmで暴走する超高速星を発見 (2/5ページ)
こうした星のスピードや化学組成は、その成り立ちを知る手がかりになるものだ。
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褐色矮星とほかの星との大きさの比較。左から太陽、低質量星、褐色矮星、木星、地球 / image credit:NASA/CC・褐色矮星である可能性
CWISE J1249+3621はおそらく褐色矮星だろうと考えられている。質量が木星型惑星よりは大きいが、赤色矮星よりは小さな星のことだ。
褐色矮星は、質量が木星型惑星より大きく、赤色矮星より小さな超低質量天体に分類され、軽水素 (1H) の核融合を起こすには質量が小さすぎるために恒星になることができない亜恒星天体に分類される。
だが誕生の仕方は恒星と同じだ。つまり巨大なガスと塵の雲(分子雲)が集まって作られる。
恒星の場合、そうした雲が十分な密度に達すると、自らの重力によって崩壊し、その圧力と温度によってコアの核融合が始まる。
ところが褐色矮星は、そのために十分な素材を集めることができずに終わってしまう。それゆえに「恒星になり損ねた星」と呼ばれる。
そんな出来損ないの褐色矮星の質量は、木星の4~80倍ほどだ。恒星である太陽は、木星の1000倍の質量をもつ。
一方、CWISE J1249+3621が天文学者の興味をそそるのは、その質量が太陽の8%程度と、褐色矮星ぎりぎりのものであることだ。恒星と褐色矮星の境界にあるのだ。