古代ローマの女神に仕えた聖職「ウェスタの処女」たちが手に入れた権力とその代償 (5/6ページ)

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パラティーノの丘の麓、神殿の真裏にあった三階建てのウェスタのアトリウム・その代償はあまりにも大きかった
 ウェスタの処女たちは独特な権力の地位を与えられてはいたが、それは不安定なものでもあった。

 彼女たちの不可侵性はその処女性に基づいていて、この性的な地位が彼女たちの社会的権力を定義づけていた。それが国家の福祉や政治とイコールだという解釈だったのだ。

 ローマが混乱すると、真っ先に非難されたのは、ウェスタの処女性だった。彼女たちがなんらかの間違いを犯し、その純潔に傷がついたためにローマの平和が乱されたと考えられたのだ。

 西暦91年のスキャンダルでは、ウェスタのリーダー格コルネリアがいわゆる欠席裁判にかけられ、性的不純の罪で有罪判決を受けた。

 彼女の愛人だとされた者は殴り殺され、コルネリア自身はわずかな食料を与えられただけで地下室に閉じ込められて、そのままそこで亡くなった。

 処女の血を流させることなく、つまり誰かに殺されたわけではなく、ウェスタが自発的に死んだということにされたのだ。

 禁欲の誓いを破ったとして有罪になった例は、1000年の間でそのほかに10件あった。鞭打ち、生き埋めなどの刑罰があったという。

 ウェスタの処女たちは純潔の象徴として崇められ祝福され、特権も得た。だが、その代わり犠牲にしたものも決して小さくはなかったのだ。

追記:(2024/08/08)本文を一部訂正して再送します。

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