疲れた心にじんわり刺さる。吉本ばなな『幸せへのセンサー』から学ぶ“幸せの本質” (1/3ページ)

マイナビウーマン

疲れた心にじんわり刺さる。吉本ばなな『幸せへのセンサー』から学ぶ“幸せの本質”
疲れた心にじんわり刺さる。吉本ばなな『幸せへのセンサー』から学ぶ“幸せの本質”

これまで何かに傷つくたび、疲れ果てるたびに自己啓発本を手にとってきた。本屋に行くと数え切れないほど、心のストレスに向き合うための本、疲れを癒やすための本が置いてあって、どの本も読めば、読む前よりスッキリする。だけど意外にも、また疲れが溜まった時に「もう一度読み返そう」と思える本がなかった。

言っていることはなんとなく分かる、思っていることを言語化してもらってスッキリはするんだけど、ただそれだけで。生理の時に飲む、痛み止めのようなもの。対処療法にはなるのだけど、心の傷に対する根本解決にはなかなかならない。

だけど今回は生まれてはじめて「何度も読み返したくなる」、カウンセラーのような本をやっと見つけることができた。

【この本を読んで分かること】

・他人にとってや社会にとっての「幸せ」と、自分の幸せは一緒とは限らない ・自分を理解することと、自己肯定感は違う ・「自分を愛すること」とは、日々の微調整を自分の価値観で行うこと

■小説家が書くエッセイ×自己啓発本

『幸せへのセンサー(吉本ばなな著・幻冬舎)』の著者は、1980年代から活躍する小説家。世界から評価される作家なので、有名な作品なら読んだことがある、という人も多いかもしれない。登場人物の感情の機微や、細やかな人間関係を描くのがとても上手い人で、女性ファンが多い印象がある。

もともと随筆もたくさん出版している人なのだが、この本は近所の本屋でも、小説やエッセイのコーナーではなく「啓発・心理」の棚にどーんと置かれていて気になった。そもそも、最近の自己啓発本は心理系の資格を持っている人、精神医療の従事者、脳科学に精通している人とか、はたまた恋愛について発信しているインフルエンサーとか、啓発に特化している人の作品が多いので、必然的にその人たちの本を手に取る機会が増えていた。

そういう本も、読んだ瞬間には心がスッキリするので決して悪くないのだけど、この本はひと味違った。吉本ばななさんは、たとえ話が上手い。

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